小田急が牽引する「新宿西口再開発」の行方 南口の再開発にメド、焦点は西口へ移った

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新宿駅の西口広場を取り囲むように、ハルク(左)や小田急百貨店(右)が立ち並んでいる

1日平均の乗降客数は約326万人(2011年)。世界一の利用者数を誇る新宿駅の進化はとどまる気配を見せていない。

南口では、JR東日本が地上33階建てオフィスビルを建設しているほか、国土交通省がバスターミナルやタクシー乗り場などを集約した「交通結節点」を建設中。これらは2016年春に完成する予定だ。

一方、今後再開発が進みそうなのが新宿駅西口である。計画をリードするのは小田急電鉄だ。

小田急は西口最大の地権者

新宿駅西口は駅に沿うように小田急百貨店、小田急が運営する商業施設新宿ミロード、そして京王百貨店が軒を並べている。駅前は3層構造となっており、地上にはバス乗り場がある。地下広場は百貨店、駅前のビル、鉄道駅と連結しており、都庁へとつながる超高層ビル街の玄関口としての機能をはたしている。地下ロータリーの下には乗用車380台収容の駐車場がある。

広場を取り巻くように林立しているのが、新宿西口ハルク、新宿エルタワー、新宿スバルビル、明治安田生命新宿ビルなどのビル群だ。このうち、スバルビルはかつて富士重工業の本社が置かれていたが、2011年に小田急が富士重から340億円で取得した。当時は購入の理由を「賃貸事業の拡充」としていたが、本当の狙いは再開発だ。

小田急は、西口広場を囲むように小田急百貨店、ミロード、ハルク、スバルビルという4つの物件を有している西口最大の地権者である。しかも、地下では小田急エースというショッピングモールを展開しており、西口駐車場も東京都から管理を受託している。

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