米共和党の星「トランプ2.0」は38歳インド系富豪 米大統領選で大躍進したダークホースの正体は

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社会正義や気候変動への懸念から、ビジネス戦略を決定する一部の大企業を批判し、勤勉さ、資本主義、信仰心、愛国心に陰湿な影響を与える「WOKE(目覚め、人種や女性、マイノリティへの差別など社会的正義に対し意識が高い人々あるいはその状態)」を徹底的に非難した。

この本が、ラマスワミ氏の保守派の間での知名度を上げ、右翼のスターとして急速に頭角を現すきっかけとなったわけだ。

ラマスワミ氏は著書での主張に沿い、気候変動対策の撤回、企業が推進するESGなど社会的大義の排除を目指す。さらに、官僚主義解体の御旗の下、ホワイトハウスの予算提出に加え、アメリカ連邦規制当局の職員75%以上の削減、”有害“な政府機関である教育省やアメリカ連邦捜査局、内国歳入庁などの閉鎖・立て直しなどを大胆に主張する。

トランプ氏を超えるアメリカ第一主義

ラマスワミ氏の選挙サイトでは、選挙公約について「トランプ氏を超えるアメリカ第一主義を実現する」と明記し、これらを「アメリカ第一主義2.0」とも称する。

官僚主義の解体などはトランプ前大統領が2016年のアメリカ大統領選で掲げた「ワシントンD.C.の沼地から水を抜く(Drain The Swamp)」、つまり政界や官僚主義の大掃除をするとのメッセージそのものだ。

ワシントン・ポスト紙などが、ラマスワミ氏を“トランプ2.0”と名付けたのも頷ける。

選挙スローガンは、「真実(TRUTH)」。アメリカ建国の父の一人、第3代大統領のトマス・ジェファーソン氏の「我々は、これらの真実を神聖かつ否定できないものとする」との言葉を引用し、同氏にとって重要な10の真実を掲げる。

ラマスワミ候補が掲げる「10の真実」    
 これら「10の真実」に対し、リベラル寄りのメディアは「民主党支持者の庭に掲げられている看板“7つの信条(In This House We Believe)”を模したもの」と批判した。
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