戸建ての屋根修理に「400万請求」業者の悪質手口 自然災害に便乗した詐欺や悪徳商法に要注意!

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訪問販売の場合、契約段階であればクーリングオフが利用できる。8日以内なら無条件で契約の申し込みを撤回や解除ができる制度で、訪問販売で活用可能なしくみだ。

一方で一度費用を支払ってしまうと、返還を求めるのは難しいのが現状だ。リフォーム業者や工事内容に不審な点があるのであれば、消費生活センターをはじめとする第三者機関に相談してほしい。国民生活センターのHPに消費者ホットライン(全国統一番号)188(いやや)をはじめ、各相談窓口が紹介されている。

「火災保険でお得にリフォームできる」巧みな言葉

お伝えしたケースとは別の事例となるが、実際には使えないにもかかわらず、「火災保険でお得にリフォームできる」「保険の申請代行を無料で行う」との言葉で契約を促すリフォーム業者もいるそうだ。保険の適用対象となるかどうかについても、まずは保険会社に確認することを心がけたい。

もし、保険の対象にならない劣化などのリフォームを火災保険で申請することがあったら、それは保険会社を騙す行為だ。特に高齢者世帯は狙われやすいのでより注意が必要となる。離れて暮らす高齢の家族にも突然のリフォーム業者の訪問には「対応しない」よう伝え、できれば隣近所にも一声かけておくと安心だ。

屋根は大体10~15年に1回のスパンでメンテナンスを行うのがおおよその目安となっている。しかし台風をはじめとする強風や突風、また震度6弱以上の比較的大きな地震に見舞われた場合は、トラブルのリスクも高まる。

メンテナンス時期ではなくとも、目視などによる点検を自主的に行うことも重要になる。加えて日頃から住宅について安心して相談できる専門業者を見つけておくのも、悪徳業者から身を守る術となるだろう。

長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

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ながしま おさむ / Osamu Nagashima

1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任している。主な著書に、『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)、『「マイホームの常識」にだまされるな!知らないと損する新常識80』(朝日新聞出版)、『これから3年不動産とどう付き合うか』(日本経済新聞出版社)、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)など。さくら事務所公式HPはこちら
 

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