戸建ての屋根修理に「400万請求」業者の悪質手口 自然災害に便乗した詐欺や悪徳商法に要注意!

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では、自分たちで屋根の状態を確認するにはどうしたらいいのだろうか。当社のインスペクションでは、屋根の調査は安全を期して屋根に登らず長い棒の先にカメラを設置して撮影したり、遠方から双眼鏡などで対応している。もちろん高所カメラやドローンならより詳細な様子がわかるが、少し離れれば目視でもトラブルのチェックは可能だ。

屋根の状態は目視で自己点検できる

実は屋根瓦は、剥がれなどのトラブルがあった場合は瓦の角度が変わっていたり、ずれたりするなど見た目である程度は判別できる。双眼鏡やスマートフォンのズーム機能を活用し、離れた場所から自宅の屋根を見てみるといいだろう。なるべく遠くへ離れ、自宅周辺をぐるりと周回してみよう。思いもかけない角度から屋根の様子が確認できることも少なくない。

またスマートフォンに自撮り棒・セルカ棒と呼ばれる長めのスティックを固定し、2階のバルコニーやベランダから屋根に向けて伸ばす方法もおすすめだ。一般的な陶器瓦ではなく、板状のスレート瓦、ガルバリウム鋼板など金属素材の屋根でも剥がれなどのトラブルがあれば、見た目で確認できる。

まずはできる範囲で自己点検を行うことが大切だ。その上で訪問業者から指摘を受けた場合やもう少し詳しい状態を知りたい時に、あらためて専門家に相談するのも一案だろう。

冒頭のお客様の事例に話を戻そう。消費生活センターに相談したところ、1日で工事を終えた業者が「まだ工事途中だった」と態度を翻してきたという。この後、400万円分の工事を再度手がけるとのことで、厳密に「詐欺」とは言い切れず、対応に苦慮しているという。ただ、幸いにして工事費用の支払いは行っていないそうだ。

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