戸建ての屋根修理に「400万請求」業者の悪質手口 自然災害に便乗した詐欺や悪徳商法に要注意!

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実際に点検を実施後、業者の下した結論は瓦本体の修理ではなく、下葺き材であるルーフィングや桟木の交換を促すものだった。屋根の工事に加え、別途塗装も必要になるという。業者から400万円ほどの工事費用がかかると告げられたそうだ。

この金額は木造2階建て30坪、一般的な戸建て住宅の屋根修理費用としては大きな額といえる。当然ながら工期も1週間以上、場合によっては1カ月以上かかる内容だ。

ところが実際の工事は1日で終了。業者から工事の証拠として提示された写真(画像)は、自宅の屋根と酷似しているものの、正確にはいつどこで撮影したのかわからないようなアングルで撮影されていたそうだ。「もしかして詐欺ではないか?」と心配になったお客様が、私たちや消費生活センターに相談されたという事例である。

チャイムが鳴っても対応しない、話も聞かない

このケースで注目すべきポイントは2つある。1つ目は飛び込みや訪問など「こちらが依頼してもいないのにやってくる」業者は信用ならないという点だ。コミュニケーション能力に長け、腰の低いセールスマンが多いため、「話くらいは聞いてあげよう」と思ってしまうかもしれない。

しかし彼らもプロだ。迷っている顧客に対し懸命にアプローチするのは営業手法でもあり、セールスマンの人柄で判断するのは難しい。「チャイムが鳴っても対応しない」「ドアを開けて話を聞かない」ことを念頭に置いておこう。

もう1つは、リフォーム業者が来るタイミングである。台風や災害などに見舞われた後は、テレビなどメディアでさかんに被害が報告される。瓦が飛び、屋根が破損する映像など全国各地の被害が映し出されるのを見ていると、「そういえば最近メンテナンスもしていないし、うちは大丈夫だろうか」と考え、不安になるのは当然だ。

弱っている心につけ込んでたたみかけるやり方は、はたして健全な営業手法といえるだろうか。また営業を受ける側も、自らに焦りや不安があると認識し、すぐに決断しないような心がけが大切になる。

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