「職場が"ゆるい"から」と若手が辞める2つの背景 「ここでは成長できない!」大手辞めスタートアップに?

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毎日のように転職サイトのCMが流れてきたり、SNSで同世代の活躍を目にしたりする中で、「今転職しないとチャンスを逃すのでは」「早く何者かにならなくては」という焦りを感じるだろう。だが、すぐに「成長実感」を得たいと思っても、上記のとおり、自分がイメージする成長の軌跡と現実にはギャップが生まれる。

知識を得ることで「タイパ」よく“成長した感”を得ることもできるが、すぐに身につけられるということは他の人もすぐに身につけられるということであり、ビジネスパーソンとして戦えるだけの武器を得られたとは言い難い。

ビジネスもスポーツと同じで、戦力になるレベルの成長を実現するためには、どうしても一定の経験や訓練を積むことが必要だ。もう少し経験を積めば変われるというタイミングで辞めてしまうのはもったいないことだと思っている。世間の声に振り回されずに、自分だけの武器を磨いてほしいというのが私の本音だ。

若手には通用しない“昭和な管理職”の思考

一方で、上司が若手社員に「成長実感」を持たせられていないことにも課題があると考えている。上司は、日々成長を実感するのは難しいということを前提に、コミュニケーションを取らなくてはならない。

これもスポーツで例えるなら、毎日「とにかく筋トレをしなさい」と言われるのと、「このトレーニングをすれば、速く投げられるようになる」「あの選手のようなプレーができるようになれる」と言われるのでは大違いだ。

昭和的な価値観で、「とりあえず3年くらいは踏ん張れよ」「今年は経験を積む年なんだよ」と言っても通用しない。むしろ、そう言われた若手社員は、「ここにいても成長できないのでは……」と不安や焦りを覚えてしまうだろう。

(出所) 『マネジャーのための人事評価で最高のチームをつくる方法』

そうではなく、「この経験を積めば、このような力が身につく」「今は成長実感を得られていないかもしれないが、確実に力はついている」などのように、マネジャーは都度、部下と成長に対する認識をすり合わせていく必要がある。

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