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中国が「日本の新軍国主義」批判を始めた思惑 毎年夏の「抗日戦争」関連報道に新機軸が登場

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台湾を訪問した自民党の麻生太郎副総裁と会う蔡英文総統(右)。中国は麻生氏の発言に敏感に反応した(写真:アフロ)

日本では8月15日が「終戦の日」と認識され、同日に戦没者追悼式などが挙行される。一方でアメリカでは9月2日に日本の降伏調印式が行われたことから同日が戦勝記念日とされ、中国は9月3日を戦勝記念日としている。

それでも中国メディアは、日本の「終戦の日」に合わせて関連記事などを掲載する。例えば、人民解放軍機関紙・解放軍報の1面に掲載される「八一鋭評」というコラムの今年8月15日のタイトルは、「歴史を記憶に刻み、強軍のために奮闘せよ」である。

過去ではなく現在の日本を批判

しかし、今年の解放軍報の報道ぶりは以前と少し異なる。今年は、現在の日本の安全保障政策を「新軍国主義」と批判し、警鐘を鳴らしたのだ。

新華社の記事を抜粋して同紙に掲載された「歴史を忘れてはならない! 日本の新軍国主義の動向を警戒せよ」というコラムは、「世界を震撼させた南京大虐殺、悪名高き731部隊、残忍な『三光政策(焼き尽くし、殺し尽くし、奪い尽くす)』など、日本軍は中国で筆舌に尽くしがたい悪行を犯した」とした。

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