東武「大宮から大和田」巨大駅の陰に何があるのか 「鉄道の街」ターミナルの片隅で放つ存在感

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大宮公園駅から大和田駅にかけては、途中で見沼代用水や芝川という小さな川を渡る。この川沿いの田園地帯が花火大会の舞台なのだろう。

大和田駅北側の武道館通り
大和田駅北側の武道館通り。小さなお店が連なる商店街になっている(撮影:鼠入昌史)

大和田駅があるのはさいたま市見沼区。駅前から武道館通りという爆風スランプを思い出しそうな通りを歩いた先に見沼区役所がある。武道館通りの名の由来になっている大宮武道館の向かいだ。もちろん、この大宮武道館は大きな玉ねぎではありません。

いつも老若男女でにぎわっている

大宮駅から3つ目の大和田駅。小さなロータリーには送迎のクルマがひっきりなしにやってきて、駅の脇の踏切の通行量もなかなかだ。踏切を挟んだ道は、大都市の中心からほんの少し離れた住宅地の商店街、といった趣である。

東武大和田駅
大和田駅の大宮方面のりば。平日の昼間でも利用者は絶えない(撮影:鼠入昌史)

北大宮・大宮公園・大和田のどの駅も、なんだかんだでホームで電車を待つお客は多い。だいたいの人は、大宮方面に向かう電車を待っている。若い学生風の人もいれば、仕事の外回り中とおぼしきスーツ姿のおじさん、買い物に行くのだろうかお年寄りと、まさしく老若男女が勢ぞろいだ。

「私が乗務員をしていた頃と比べても、ずいぶん住宅地も増えましたしね。朝のラッシュ時間帯はもちろんですが、昼間もかなり多くのお客さまが乗られています。東武大宮駅は小さな駅ですが、なかなか忙しいんですよ(笑)」(熊倉管区長)

鉄道の街・大宮の一角を担っていることもあってJR東日本やニューシャトルとともにイベントを行うこともあるのだとか。ただ、天下の大宮駅の中では、やはりアーバンパークラインの存在は地味だ。それが悪いわけではまったくなく、徹底して地域に根付いて人々の通勤通学、また日常の移動を支えていることの裏返し。わざわざ声を大にして「大宮に東武が乗り入れているよ!」などと言わなくてもいいところがこの路線の本当の強さなのである。

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鼠入 昌史 ライター

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そいり まさし / Masashi Soiri

週刊誌・月刊誌などを中心に野球、歴史、鉄道などのジャンルで活躍中。共著に『特急・急行 トレインマーク図鑑』(双葉社)。

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