タカタ前期はリコールで556億円の特損 2015年3月期は296億円の最終赤字

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 5月8日、タカタの野村洋一郎執行役員経理・財務本部長は8日の決算会見で、2015年3月期(前期)にリコール関連費用で556億4000万円の特別損失を計上すると明らかにした。都内で昨年12月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 8日 ロイター] - タカタ<7312.T>が8日発表した2015年3月期(前期)の連結決算では、純損益が296億円の赤字(前の期は111億円の黒字)に転落した。年間配当も無配(同30円)とした。同社製エアバッグのリコール(回収・無償修理)関連費用などによる特別損失が響いた。

会見した野村洋一郎執行役員によると、前期はリコール関連費用として約556億円の特別損失を計上した。費用計上したリコール対象台数は約650万台分で、13年以降からの累計では約1000万台となっている。16年3月期(今期)は、新たなリコール台数増加は織り込んでおらず、主に弁護士費用などとして約70億円を見込んでいる。

また野村氏は、原因究明に向けた第三者機関による検証作業は「現在も調査中」とし、調査の終了時期なども「現時点では不明」と話した。

今期の純損益は200億円の黒字となる見通し。自動車需要が好調な北米を中心に本業では堅調な拡大が見込まれるため。ただ今後、第三者機関が進めている原因調査の結果や、米国などでの集団訴訟で賠償が認められた場合、リコール関連費用の追加計上を迫られる可能性もある。

同社製エアバッグは、インフレ―ターと呼ばれる部品に不具合が発生し、エアバッグ作動時に飛散した金属片による負傷事故や、海外で死亡事故が起きた。複数の訴訟にも発展している。2008年以来、ホンダ<7267.T>、トヨタ自動車<7203.T>など完成車メーカー10社以上がリコールを実施し、対象台数は2500万台以上に膨らんでいる。

 

(斎藤真理、白木真紀)

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