ホンダ、異例のリコール対応に踏み込む理由

リコールの全米拡大を受けて日本でも着手

米国でのリコール拡大を受けて、日本でも前例のない対応を決めた(撮影:今井康一)

国内外でリコール(回収・無償修理)が相次いでいるタカタ製エアバッグの欠陥問題で、自動車メーカーが従来になかった形式のリコールに動き出した。

異例の対応に踏み切ったのがホンダだ。同社は今年6月以降、米国で不具合の原因を調べるための調査リコールを行ってきた。さらに米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)の要請に応じる形で、12月8日に地域限定の調査リコールを全米に拡大する方針を発表。そして9日には日本国内でも、ミニバンの「エリシオン」など2002年~13年に製造されたおよそ13万5000台について「全数回収調査」を始めると発表した。

日本で実施する全数回収調査は、不具合の原因究明を図り、顧客の不安を解消するという理由から、運転席用エアバッグを自主的に回収して無償交換する。これは米国における「調査リコール」に相当するが、現行の日本の法的枠組みには存在しない対応だ。

原因不明でも部品を無償交換

道路運送車両法に基づく日本のリコール制度は、自動車メーカーが販売店などに寄せられた苦情や事故の情報をもとに、実験などで原因を特定した上で、自らの判断で改修を国土交通省に届け出るというもの。対応は不具合の性質によって三段階に分かれる。

第一段階は、メーカーが安全や環境に直接関係のない不具合を、商品性や品質確保を目的に自主的に修理する「サービスキャンペーン」。また、保安基準に適合しているものの、安全や環境面で看過できない場合にメーカーの判断で部品交換を行う「改善対策」があり、これが第二段階にあたる。そして第三段階が、設計ミスなど部品や車両の構造上の欠陥が判明し、保安基準に適合しないか、適合しなくなる恐れがある場合にメーカーが自らの判断で実施するのが正式な「リコール」だ。

今回、ホンダが踏み切った全数回収調査は三段階のいずれにも該当しない。なぜなら、エアバッグの不具合の原因が分からないまま、部品の無償交換に動き出したからだ。要は、懸念のあるものはすべてかき集めて、部品を交換してしまうというやり方である。

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