主婦に密かな人気、「日本語教師」は稼げるか 気になる時給とやりがいは?

✎ 1〜 ✎ 23 ✎ 24 ✎ 25 ✎ 最新
拡大
縮小

日本語学校の非常勤講師(パート講師)の場合、1日4時間の授業を受け持つのが一般的。週に何日、何曜日に入るかは、所属する学校にもよるが、ある程度自分の都合に合わせることができる。実際、「子どもに手がかかるうちは週2回、子どもが中学校に入ったら週4回」など、ライフステージに合わせて働き方を調整している日本語教師も多い。それが「子育てしながらでも続けやすい」とされる理由だ。

最近の養成コースの受講生の中には、高学歴で大手企業での勤務経験がある主婦も増えているという。インターカルト日本語学校の加藤早苗校長はこう分析する。「子育てと両立しやすいうえ、ほかのパートの仕事よりも専門性が求められるところに、プライドややりがいを感じる主婦が多いのではないか」。

今こそチャンス!?教師不足で売り手市場

日本語で進められる授業中、学生たちのノートを取る手も真剣だった

日本語教師になるためのポピュラーなルートが養成講座に通うことだ。日本語学校や資格系スクールで開講されており、日本語教授法や文法、音声などの理論科目と実際に教壇に立つための実技科目、計420時間を修了すると、日本語学校などへの応募条件を満たす「有資格者」とみなされる。養成講座の期間は半年から1年というところが多く、費用は50万~60万円が一般的だ。

ほかに、大学・大学院での日本語教育主専攻・副専攻を修了するルート、日本語教育学会による「日本語教育能力検定試験」に合格するルートもある。

かつては、修了後もなかなか就職先が決まらない時期もあったが、今は売り手市場だという。インターカルト日本語学校の養成講座担当者は「求人票の数は2年前に比べると1.5倍くらいに増えている。特にベトナムやネパールなど東南アジアからの留学生が増えていて、全体として日本語教師が足りていない状況。他校から『修了生を紹介してくれないか』と問い合わせをもらうことも多い。この傾向はしばらく続きそうだ」と話す。

日本学生支援機構が行った調査によると、国内の日本語教育機関で学ぶ日本語学習者は4万4970人。前年比で37.8%も増えている(2014年)。

ここで、気になるのは日本語教師の給与水準だが、実は決して恵まれているとはいえない状況だ。

次ページ時給の相場は?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT