英語上達には、この「脳番地」を鍛えなさい! 脳科学者に聞く、「英語脳」を育てる習慣

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――具体的には、どのようにすればよいのでしょうか?

「英語脳」が「英語で物事を考え、伝えられる脳」だとするのならば、すべての脳番地を「英語化」する必要があります。そのため、学習の際には、常に「脳全体」を使うように心掛けます。たとえば、

英語で感情を込めて話す→感情系・伝達系・運動系
英作文をする→思考系・伝達系・運動系
英語で映画を見る→聴覚系・視覚系
英語の本やウェブサイトを読む→理解系・視覚系・記憶系

 

というように、自分が今、どの脳番地を鍛えているかを把握します。それができたら、各学習方法をローテーションし、毎日必ず、英語ですべての脳番地を使うプランを作ります。こうすることで、すべての脳番地が英語に親しくなり、英語脳に近づくことができるのです。

脳科学者が教える! 絶対にNGな英語学習法

加藤 俊徳 (かとう・としのり)●発達脳科学・脳機能生理学・脳画像MRI・脳機能計測の専門家。小児科専門医。医学博士

——脳科学的な観点で、やってはいけない英語の学習法はありますか?

絶対にNGなのは、「興味のないトピック(話題)」の英文で勉強することです。脳は、自分が興味のある情報に対しては、脳の伝達系脳番地が非常によく働きます。

つまり、脳は「その情報を聞きたい、読みたい状態」ときに、もっとも学習効果が高くなるのです。特に初心者の方は、リスニングやリーディング練習の際、面白いと思える映画「だけ」を徹底的に見ることを心がけましょう。少しでも「面白くない」と感じてしまうと、脳のリスニング力やリーディング力がとたんに落ちてしまいます。

また、興味があるジャンルというのは、それだけ「背景知識」も豊富だと言えます。サッカーがお好きな方は、「offside」や「pass」といった単語は、習っていなくても知っていますよね。

英文を読む際、あまり知らない単語が多く出てくると、単語の意味や文脈を推測することに理解系脳番地を使い、脳が回らなくなってしまいます。こうなると、「単語の意味を類推する練習」となってしまい、本来の「英文を読む練習」がおろそかになってしまうのです。

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