新機構で東電に資金支援 負担に構えるメガバンク

巨額の賠償金問題をめぐり、東京電力に対する国の支援方針が月内にも決まる見通しとなった。中核は特別立法による「賠償機構」の新設。同機構が政府保証による銀行金借り入れ、電力各社が拠出する保険料、さらに公的資金を使うことで、東電の支払いを補完する。

原発事故による信用不安から、東電は社債による資金調達の道を事実上閉ざされた。負債の半分以上を社債が占めるだけに、その手立てを失うことは致命的だ。代わりにリスクを一身に引き受けたのが銀行だった。東電の要請を受け、3月末に大手7行が約2兆円の長期融資を実施。メインの三井住友銀行を筆頭に3行の合計で1・4兆円に及ぶ。これで社債償還や復旧費用など向こう1年の運転資金にはメドがついた。が、賠償金は別問題として残された。

原子力損害賠償法では原則、事業者が賠償の無限責任を負う。国の判断で「必要な援助を行う」という規定もあるが、政府は支援の意向を示しつつ、「一義的な責任は東電にある」と繰り返すばかり。4月14日の全国銀行協会の会見で、奥正之・三井住友フィナンシャルグループ会長は「今の市場は政府の出方を見ている。いち早く国に具体的な対応をしていただきたい」と注文をつけた。

東電は「正常先」か

事故収束の工程表を発表した17日の東電の会見でも賠償金の質問が相次ぎ、勝俣恒久会長は「国のスキームが固まらないと答えられる話ではない。仮に東電が全額補償となれば、資産売却をいくらやっても足りない」と強弁している。社債発行ができない今、補償で予想を上回るキャッシュアウトが生じた場合、駆け込み先は銀行だけだ。かといって、国の後ろ盾がないまま業績悪化が進むと、銀行は東電の債権を「正常先」には据え置けない。区分変更で引当金計上となれば痛手も大きい。国が早期に支援策を決めることは必須だった。

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