新NISAも「インデックスファンド」だけで十分だ 金融機関の巧みな「営業」に乗ってはいけない

✎ 1〜 ✎ 177 ✎ 178 ✎ 179 ✎ 最新
拡大
縮小
2024年から始まる「新NISA」。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があるが、どう使いこなせばいいのか(写真:ELUTAS/PIXTA)

金融庁の関係者によると、2024年から始まる新しいNISA(少額投資非課税制度)は、来年以降、単に「NISA」と呼ばれるようになるらしい。複数の種類を呼び分ける必要がなくなるので、当然といえば当然だ。

当面の呼び名として「新NISA」は、個人が投資できる金額が年間360万円、個人の投資枠の合計が1800万円(簿価ベース)と、現行のNISAよりも金額が大きい(現在:年間投資可能額は、一般NISA120万円、つみたてNISA40万円)。

すでに「新NISA」の口座獲得競争が始まっている!

この連載は競馬をこよなく愛するエコノミスト3人による持ち回り連載です(最終ページには競馬の予想が載っています)。記事の一覧はこちら

これまでNISAに冷淡だった金融機関も、営業に力を入れる必要を感じており、口座獲得競争がすでに始まっている。潜在顧客に対しては、今年が投資可能な最後の年となる既存のNISAで投資を行うと「得」であるとの営業アプローチが行われているらしい。

新NISAは既存のNISAの利用状況に関係なくゼロから始められるので、既存のNISAで投資した資産は制度の期限まで(一般NISAは5年間、つみたてNISAは20年間)新NISAでの投資とは別枠で利益に課税されない運用が可能だ。「節税投資枠」が増えることになるので、「得」だと言ってもいいだろう。営業トークに一応、ウソはない。

ちなみに、新NISAでは1人が利用できるのは1金融機関で1口座だ。一部の運用会社や金融機関からは1人が複数の口座を持てるようにしてほしいという要望があるらしいが、個々の投資家が投資した総額(簿価ベース)の管理をしなければならないことを考えると、1人に複数の口座はシステム上負荷が大きすぎようし、投資家側の必要性はそう大きくない。直販中心の投信運用会社などは、ネット証券と組むなど販路を見直す必要が生じるかもしれない。

次ページ「新NISA口座」はどこで持つのがよいのか?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT