西の有力ファミレスは、なぜ赤坂を選んだか 商機はロードサイドのみにあらず
TBSが本社を構えていることなどで、全国的にも有名な東京・赤坂。霞が関や永田町からも程近く、まさに東京のど真ん中にある街だ。東京メトロ「赤坂見附駅」を降りてすぐに広がる繁華街にはさまざまな業態の飲食店が連なり、食事時には昼も夜もビジネスマンやOLでにぎわう。
そんな赤坂に今年4月、九州を地盤とする西日本の有力ファミリーレストランが乗り込んできた。大分に本社を構え、福岡証券取引所に上場する「Joyfull(ジョイフル)」。ハンバーグやステーキなどの洋食系で、低価格戦略を特徴とするファミレスチェーンだ。売上高は約600億円で全国に約750店舗、関東圏にはすでに約40店舗を展開しているものの、赤坂店の出店により東京23区内の初進出を果たした。
都心部でランチが最安530円!
赤坂でランチを食べようと思ったら、平均的な単価は800~1000円程度。一方、ジョイフル赤坂店で最安の「日替り昼膳」なら、ハンバーグや焼きさば、とり天南蛮などの日替りのメイン料理にご飯、みそ汁、漬け物がすべて付いて税込み530円(日・祝日を除く10~15時のランチタイム限定)。これでもジョイフルの通常店に比べると100円程度高いものの、都心の飲食店でワンコインちょっとでランチが楽しめるのだから、お得感がある。夜の食事も周りの飲食店に比べると割安だ。
4月下旬。そのジョイフル赤坂店を訪れた。商業ビルの2階に構える店の場所は、赤坂見附駅から徒歩3分程度と至近。もちろん駐車場はない。4月中旬オープンからまもなかったためか、14時を過ぎても店内はビジネスマンやOL、主婦など様々な層の客で賑わい、空席待ちの状態だった。
少し待って通された、店の中心に位置する4人掛けのテーブル席に座って驚いた。なんとレジの目の前にあったのだ。すぐ横には厨房(キッチン)と直結し、料理が出てくるバックヤードが配置されている。
ファミレスといえば店の出入り口付近にレジがあり、バックヤードも客席から切り離されているのが一般的。特にファミレス業界出身の筆者から見ると特異に映る面もあったものの、都心という家賃の高い立地においては合理的な造りにも思えた。限られたスペースを最大限に取り、店員、お客ともに人の流れをできるだけ効率的にして運営するための工夫なのだろう。
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