中国のリスクは「破壊」と「創造」の空白期

エコノミストの肖敏捷氏に聞く

2015年の全人代では成長率目標が7%に引き下げられた(写真:AP/アフロ)
中国の景気減速が懸念されている。一方、「一帯一路」構想やAIIB(アジアインフラ投資銀行)の設立など新たなプロジェクトが浮上し、国際社会から注目されている。中国の現状について、SMBC日興証券のシニアエコノミスト・肖敏捷氏に聞いた。

 

――2014年に続き、2015年も中国の成長率目標は引き下げられ、7%を目指すとしている。中国経済の現状をどうみるか。

1970年代末から続いてきた高度成長がようやく終焉を迎え、今後、中成長へ移行しようとする転換期にあるのが中国経済の現状。もっと分かりやすく言えば、上り坂から下り坂へ差し掛かろうとしている。成長率至上主義から解放された安ど感がある一方、下り坂はほとんど経験したことがないので、景気減速に対する不安のほうが強いかもしれない。

また、雇用や社会保障などセイフティネットの必要性は、高成長時代にそれほど高くなかったが、今はそれがないと痛みを伴う改革は着手できない。気持ちのほうは、改革を通じて持続成長を目指そうとしているが、やはりさまざまな問題を解決するため、高成長に依存しようとする慣性が体に残っている。

スピードは「破壊」のほうが「創造」よりも速い

――今年、7%成長は可能なのか。

2015年1~3月期の実質GDP成長率は年率で前年同期比7%増と政府の目標圏に踏み止まったものの、固定資本形成や外需など成長の中身がかなり厳しく、このままでは、年間の成長率目標達成は難しい。全国人民代表大会(3月)以降の政策対応をみると、不動産市場の救済策や追加的な金融緩和など、景気刺激策が次々と打ち出されたのはその危機感の表れだろう。

一方、「新常態」に向けて変革し始めた中国経済の現状を表すキーワードは「破壊」と「創造」だと考えている。大規模なインフラ投資、不動産開発投資、設備投資など投資依存型の高成長パターンを破壊し、消費主導で技術革新重視の持続成長といった新たな成長パターンを創造していくのが、中国の政策担当者が目指している方向性であると見ている。

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