3年ぶりに帰国した日本人が驚いた「ヤバい日本」 日本は「海外旅行先」として人気沸騰中だが…

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そんなふうに不都合が起きた時、日本で活躍する強い武器が「親切さ」だ。駅の券売機の前で悩んでいる外国人がいれば、出てきて買うのを手伝ってくれる駅員さん。お年寄りや海外在住者がSuicaのチャージの仕方やスマホアプリの使い方、見方がわからないで悩んでいれば、さっとあちこちから手が伸びてきて代わりにやってくれて驚いたという話も聞いた。最近は物騒になったとは言っても、やはり日本は平和なのだ。スリやコソ泥が多い国からやってくる旅行者は、取られるのかと思ってビックリするという。英語苦手意識が強い人が多いのか、黙って手を出しやってくれようとするのだという。

某人気ラーメン店にて。人気のトッピングの説明も日本語のみなので、外国人観光客は適当に挑戦してみるしかない?(オランダ在住フォトジャーナリスト Keiko B Gotoさん提供)

だがそういう個人レベルの親切さで、サービスの不備をカバーするのは限度がある。各企業や団体で、外国人受け入れのためのシステムをもっと見直すべきではないだろうか。若い世代の観光客なら、そもそも駅の案内表示などに頼ることなく、地図アプリを活用してスイスイ歩くし、アプリの使い方に悩むこともない。

だが観光客は若い人ばかりではない。むしろ、ある程度の年齢を重ねている層の観光客こそお金をたくさん落としてくれるはずだから、大事にしなければならない。

環境問題についての意識が低すぎる

昨冬、欧州ではウクライナ戦争の影響でエネルギー費が高騰した。CO₂排出問題とも相まって、イタリアでは暖房の設定温度は18度にせよ、という政府からのお達しが出ていた。

イタリアのほとんどの集合住宅は、ガスで温めた温水を巡らせるセントラルヒーティング暖房が一般的。温度設定は管理人室などでコントロールされていて、個人が勝手に変更することはできない。例年なら室温は25度程度に設定し、真冬でも家の中では半袖で過ごしたりする贅沢好きのイタリア人たちも、この冬は18度で我慢していた。18度がどれぐらい寒いかというと、私は家の中でもセーターの上にライトダウンが手放せなかった。それでもじっと座って原稿を書いていると手がかじかんでくる、そんな寒さだ。

寒い暮らしに慣れてしまったせいだろうか。東京で過ごした3週間はとにかく暑かった。レストランも、デパートも、駅の構内や電車の中も、暑くて暑くて、もはや快適を通り越し不快でしかなかった。ところが他の人たちはみんな涼しい顔をしてスマホを眺め電車に揺られている。日本人って変温動物なの? それとも暑くてつらいけど、行儀がいいから文句を言わずに我慢している? もしかしてコートの下は超薄着とか? 

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