「貯金増えない→家賃見直す」発想の根本的間違い 問題解決できない人は「なぜ」に答えていない

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「貯金が増えない→家賃が安い家に住めばいい」と短絡的に考えると、本当の問題にたどりつかない可能性があります(写真:Ushico/PIXTA)
誰でもスマホや人工知能(AI)で簡単に質の高いノウハウを多く得られる時代、生き残るためにはどんなスキルや能力が有用なのか。本稿では、『「仕事ができない」と言われたらマーケターのように考える』著者で、データサイエンティストであり、マーケターの山本大平氏が、問題に対して「なぜ」考える時に必要なアプローチについて解説します。

問題解決が苦手な人は「なぜ」の威力をわかっていない

例えば、あなたが「貯金が増えない」という悩みを抱えていたとしましょう。あなたは「きっと家賃が高いからだ」と決め打ちして、安いアパートに引っ越す。けれども実際は「給料が安くて貯金が貯まらない」という理由が真因だった場合には、いくら家賃を抑えても抜本的な解決策にはなり得ません。

せっかく解決に向かって行動したとしても、そもそもその真因が違っていたら、どんな対策行動も無駄になってしまいます。そこで、問題を引き起こす根本的原因を特定するために「『なぜ』を繰り返し、真因を特定すること」が、問題解決にとって必須となります。

本稿では、そんな「『なぜ』を繰り返す」という作業を行ううえで気をつけるべきポイントを3つに絞って分かり易く紹介します。

まず1つ目のポイントは、今自分がどの思考フェーズにいるのか、つまり何を考えないといけないのか、ということを知ることです。

「なぜ」を繰り返すうえで、陥りがちなパターンとしては、課題の深掘り(Why)をして真因を特定するための思考を行っているにもかかわらず、いつの間にか解決策(How)までを考え出してしまっている場合です。

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