有料会員限定

「アニメーター」賃上げ進展も「脱ブラック」は遠い 上は年収1000万円、下は100万円台の「雲泥格差」

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 最新
拡大
縮小

人手不足を背景に平均年収は上がっている。が、脱「ブラック」の道のりは長い。

アニメの制作現場のイメージ
「ブラック」といわれ続けたアニメーターの仕事だが、極端な人手不足を反映し「賃上げ」「働き方改革」の動きが出ている※本文と写真は関係ありません(写真:記者撮影)

特集「アニメ 熱狂のカラクリ」の他の記事を読む

5月22日発売の『週刊東洋経済』は「アニメ 熱狂のカラクリ」を特集。この10年で市場規模は2倍となり、今の日本には数少ない成長産業となったアニメ。動画配信の普及もあり世界中でアニメファンが急増する中、沸騰するビジネスの最新事情や、根深い課題を深掘りしています。
週刊東洋経済 2023年5/27号[雑誌](アニメ 熱狂のカラクリ)
『週刊東洋経済 2023年5/27号[雑誌](アニメ 熱狂のカラクリ)』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

低賃金・長時間労働と、その「ブラック労働」ぶりが伝えられてきたアニメーター。だが、人手不足が慢性化する中で、この状況に変化が生じている。

日本アニメーター・演出協会(JAniCA)が昨年行った最新のアンケート調査によれば、アニメーターの平均年収は455万円と4年前の前回調査から15万円の増加となった。平均休日数も月6.8日と前回調査から増えている。

「暮らし向きはよくなっていると思う」と話すのは、ふくだのりゆき氏。35年以上のキャリアを持つフリーのアニメーターだ。ふくだ氏によれば、アニメの基点となる絵である原画の1カット当たり出来高単価は約10年前に比べて2割程度上がっているという。

収入増に大きく寄与する「拘束費」

次ページ意外に多い「年収1000万円以上」の割合
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
アニメ 熱狂のカラクリ
放送終了後も「客が途切れない」聖地の秘策とは
アニメ部門のキーマンが語った「反省の弁」
配役の権限を持つ側が「やりたい放題」できる
人気エコノミストが初めて語る「オタクな過去」
「アニメのテレ東」に続き、各局が投資を加速
製作委員会とプロダクションは「天国と地獄」
人気作のアニメ化争奪戦で出版大手はボロ儲け
上は年収1000万円、下は100万円台の「雲泥格差」
日本企業を及び腰にさせてきた「儲けにくさ」
「仕事でヘコんでも、アニメが鼓舞してくれた」
「日々仕事に向かう主人公に、胸を打たれた」
人手不足の解決策として導入が試みられている
制作、配信、音楽と、あらゆる分野で存在感
東宝がアニメに「本気モード」、東映を猛追
市場は10年で約5倍、技術力向上、若手も育つ
エンタメ大手社長が語る唯一無二のIP活用戦略
着眼点はサプライチェーンでの「立ち位置」
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内