欲しい人材を逃さない採用の教科書 中尾ゆうすけ著

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欲しい人材を逃さない採用の教科書 中尾ゆうすけ著

採用環境において「買い手市場」といわれる状況を迎えている昨今ではあるが、かといって採用が楽になったわけではない。むしろ、厳しい環境を生き残って自社を成長させるためには、事業戦略に加えて、業績に貢献できる人材の見極めがますます重要となっている。

新卒の学生が定年まで勤めた場合の人件費はいくらになるか。人一人採用するにはおよそ2~3億円かかる。とすると、2~3億円のローンを40年の分割払いで組むことと同じ意味をもつ。

人材の採用が、会社にとっての“負債”とならないためにも、採用はリターンの期待できる投資として慎重かつ確実に取り組むべきものなのだ。

本書では、採用計画の立て方や会社が求める人材を集めるための学生へのアプローチの仕方に始まり、志望者の選考の仕方、内定・受諾の進め方まで、採用担当者に必要なノウハウを説く。

採用活動を展開するべき時期や、Web上での有効な検索キーワードにも触れた具体的な内容だ。解説の合間には、会社説明会における学生向けのアンケート例や面接で確認すべき基本項目の一覧、内定通知書や内定式案内書のフォーマット例なども盛り込まれており、すぐに応用して使えるだろう。

著者は、1部上場企業の“人事屋”として数千人の学生との面接やコミュニケーションの経験を持つ。まさにこのテーマは面目躍如といったところ。読者は現場目線に基づいた独自の採用ノウハウを物にできるだろう。

(フリーライター:沼 由美子=東洋経済HRオンライン)

こう書房 1575円

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