パナソニック女性役員には"もうひとつの顔" 転機は30代、「音楽の専念を考えたことも」

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これまでに自主制作も含め、14枚のCDをリリース(写真:Amazon.co.jpの販売サイトより)

――当時、どうやって仕事と音楽を両立したのですか。

ピアノの演奏を本気でやりだしたのは1993年からです。それまでは仕事のかたわら、ライブハウスで時々弾いていた程度。でもある時、上司から「仕事も音楽も中途半端だなあ」と言われたんです。今思えば叱咤激励の言葉ですが、その当時は悔しくて「どっちもやり切ろう」と心に決めました。 

でも当然、働いているから練習の時間が足りない。出した答えは「集中」です。オンとオフをはっきり分けて、音楽をやっていても絶対に仕事も手を抜かないと決めました。30代からは、時間を意識的に使い分けました。ピアノの練習も、短い時間でもできるだけ集中しました。

音楽に専念しようと思ったことも

――その後、社内ではeネット事業本部、さらに社会文化活動の部署へと移ります。

実はその頃、プロデューサーの中に「音楽に専念しては」と言ってくれる人もいて、2回ほど会社を辞めようと思ったこともあったんです。でも多くの人が、「仕事と音楽の両立が小川さんの個性だから」と言ってくれて、やはり仕事は続けようと。

ちょうどブロードバンドが普及し出した頃で、社内のeネット事業本部というところから、音楽をコンテンツとして配信したいので、音の分かる人に来てほしいと言われました。私としても、音響の仕事でそろそろけじめがついたので、新しいことへ挑戦することにしました。eネット事業本部では、ハイビジョンや3Dの配信の仕組みをつくり、2004年からは、今でいうソーシャルメディアの開発も手掛けました。

その後、社会貢献活動を担う社会文化グループに移りましたが、そこでの仕事もこれまでとは全く関係ない仕事。ゼロから勉強しました。中国四川省の大地震の際にはチャリティコンサートを開くなど、与えられた環境で音楽にアプローチしていましたね。

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