ネガティブ思考は性格ではなく、「脳疲労」だった 精神科医とうつ経験者が語る「ラクな生き方」

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樺沢:最近はどんな生活をしているんですか?

デラさん:土日にイベントスタッフのバイトをして、平日は個人の仕事。Twitterコンサル、記事の執筆、たまに派遣の仕事などを無理のない程度にやっています。働くのは元気のある日だけで、それ以外は寝たりポケモンカードやったりYouTubeを観たり。やりたくないことはやらないし、会いたくない人には会いません。それでも月30万円くらいは稼げています。

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樺沢:自分が消耗しない、楽しめることだけを選択できていていいですね。「危険を回避するために毎日同じことを繰り返す」というのが生物の基本的な反応なので、同じことを同じようにやっているほうが本来ラクなんです。だから、ストレスになるとわかっていても仕事をやめられなかったり飲み会を断れなかったりする。でも、デラさんが「やりたくないことを断る」とか「気分に応じて選択する」ことができているのは、脳の前頭葉という部分が活発に機能しているから。脳が元気になってきている証拠だと思いますよ。

デラさん:生きていれば必ずストレスが発生します。でも、発生したストレスを減らせるか、増やしてしまうかは、その人の対応次第。嫌なことがあったときに、友だちに愚痴るなどして忘れられる人、「しょうがない」と諦められる人、「やめる」「断る」という対策がきちんとできる人は、ストレスを手放せる人。僕もだいぶそういう生き方ができるようになってきました。

樺沢:私は「いまにチューニングする」という言い方をしていますが、「いまこの一瞬」にフォーカスして幸せを感じることがラクに生きる秘訣。その調子で、人生ゆるく楽しく過ごしていきましょう。

樺沢 紫苑 精神科医、作家

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かばさわ しおん / Shion Kabasawa

1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴの イリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。SNS、メールマガジン、YouTubeなどで累計40万人以上に、精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝え、「日本一、情報発信する医師」として活動している。『学びを結果に変える アウトプット大全』(サンクチュアリ出版)、『読んだら忘れない読書術』(サンマーク出版)、『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』(大和書房)など著書多数。

 

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デラさん フリーター

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1992年生まれ。愛知県出身。22歳でうつ病を発症し、現在は9年目。うつ病の感覚や気持ちを言語化したり、回復するためのノウハウを発信している。ココナラにて「うつ病彼氏の恋愛相談」の販売実績は200件を超えて高レビュー。サンクチュアリ出版のウェブマガジン「ほんよま」の人気連載「うつ病になった僕が伝えたいこと」が累計200万PVを超える(7記事/半年間の累計PV数)。

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