有料会員限定

5つの補欠選挙が「岸田政権の行方」を左右する 岸田首相は「安倍流政権運営術」を超えるか

✎ 1〜 ✎ 396 ✎ 397 ✎ 398 ✎ 最新
拡大
縮小

4カ月ぶりに支持率が上昇に転じた岸田内閣。長期政権への地歩を固めきれるか。

安倍晋三写真展での囲み取材で涙ぐむ岸田文雄首相
安倍晋三写真展を鑑賞後、囲み取材で涙ぐむ岸田文雄首相(昨年11月東京で)(写真:毎日新聞社/アフロ)

4カ月ぶりに内閣支持率の上昇が明らかになった。2023年3月の世論調査では、朝日新聞40%、読売新聞42%、共同通信38.1%、時事通信29.9%である(底は22年11月〜23年1月で、朝日31%、読売36%、共同33.1%、時事26.5%)。「異次元の少子化対策」への取り組み、日韓関係正常化、岸田文雄首相のウクライナ電撃訪問などが評価されたとみられる。23年度予算も波乱なく3月28日に成立した。

支持率回復を見て自民党内で衆議院解散・総選挙の臆測が急浮上している。前回の衆院選は新内閣発足直後の21年10月31日だった。まだ1年半足らずだが、前回は事実上の任期満了選挙で、首相は専権事項である解散権を実質的には一度も行使していない。岸田首相の1期目の自民党総裁任期は24年9月までで、「総裁再選・2期続投」を確実にするには総裁選前の解散・総選挙断行が不可欠という計算が働いても不思議ではない。

3月29日に衆議院内閣委員会でその点を問われた首相は、「今、解散は考えていない」と一応、否定したが、解散戦略が視野にあるのは疑いない。首相の解散権については、就任前の菅義偉内閣の時代、「岸田氏は解散に踏み切らない菅氏について当時『なぜかわからない。すぐに支持率は下がるぞ』と周囲に話していた」という(日本経済新聞・22年10月16日付朝刊「風見鶏」)。岸田首相には、政権維持の切り札は衆議院解散という明確な自覚があるとみる。

次ページ計18回にわたって行われた安倍氏のインタビュー
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内