すき家、なぜ今になって「牛丼値上げ」なのか 浮かび上がる"2つの伏線"と"1つの疑問"
「消費者の皆様にも、きっと受け入れてもらえる自信作となっている。入客数も上がるのではないかと思っている」――。すき家本部の興津龍太郎社長は4月2日の政策発表会で力強くこう述べた。
ゼンショーホールディングス(HD)傘下の牛丼チェーン「すき家」は、沖縄県内の24店を除く全国1956店で4月15日から牛丼関連商品を値上げする。並盛は291円から350円に、大盛は410円から470円となり、関連メニューで42~62円引き上げる(いずれも税込み、以下同)。
仕様変更でボリューム感を打ち出す
今回の値上げと同時に1982年の創業以来、変えることのなかった牛丼の仕様を見直す。並盛や大盛については牛肉と玉ねぎを20%増量するなど、ボリューム感を打ち出す内容に変更した。
「これまでは昼に牛丼並盛を食べても午後3時頃には小腹がすいていたが、今回のボリュームだと夕方まで十分に腹持ちする」(興津社長)
とはいえ、単に牛肉を増量したから値上げをした、ということではない。「牛肉価格、人件費、電気代が高騰している。並盛350円は消費者が受け入れるギリギリの価格だ」(同)。さまざまなコストの上昇によって価格改定に踏み切ったことを興津社長は認めている。
今回の値上げに至るまでには、いくつかの伏線があった。
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