Facebook、「メッセンジャー開放」の破壊力 速報!開発者会議「F8」で語った新戦略

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「グロウ」では、Facebook向けに開発し、ウェブブラウザ、スマートフォンアプリ、タブレットアプリなど複数の環境で使われるアプリを、一元的に解析する「App Analytics」を無料で公開した。

これにより、デバイスを問わず、ユーザーの解析が行えるようになり、アプリの改善やプロモーションの効果測定などをより正確に実現できる。開発者は、自分のアプリで何が起きているのかを、無料で管理でき、Facebookのプラットホームでのアプリ開発のメリットが高まる。

「マネタイズ」では、Facebookのニュースフィード内のネイティブ広告の効果がバナーの7倍のインプレッション単価と、効果あたりのコストの40%削減を実現させているとした上で、モバイルアプリ内で動画・ディスプレイ広告の仕組みであるLive Railを活用できるようにした。

昨年のF8から、Facebookは、開発者の技術的な側面、成長、そしてマネタイズを支える姿勢を明確にしており、今年もそれを踏襲した格好だ。

IoTの開発環境も提供

開発者に対して、シンプルなモバイル開発環境を提供するFacebookのParse。今回面白かったのは、ParseのIoTサポートだった。

人が使うデバイスの多様化と同時に、インターネットに接続された機器もまとめて、Parseから扱えるようにしよう、という取り組みだ。IoTをサポートする開発環境はParseが初めてではないが、他のプレイヤーを見渡してみると、IBMやCitrixといったより大規模な仕組みが中心だった。

IoTデバイスを自作できる基盤型のマイコン「Arduino」向けの開発キットを公開した

その点で、モバイルアプリのバックエンドと連携して、例えばJavaScriptのコードからIoTをつなぎ込むことができるParseのIoT対応は、IoTの開発を寄り盛り上げることになるだろう。

まず手始めに、IoTデバイスを自作できる基盤型のマイコン「Arduino」向けの開発キットを公開している。例えば現段階で、Parseをバックエンドに持つiPhoneアプリから、ArdinoにつながったLEDを点灯させるといったことが、簡単にできるようになることを意味する。

「FacebookとIoTがつながる」というと短絡的すぎるが、ニュースフィードやメッセンジャーとこうしたデバイスの連携は、コミュニケーションの表現力や実世界・仮想世界での実装力を高めることになるだろう。

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