ハーレーダビッドソン、「革新モデル」の全容 従来イメージ覆す装いで日本市場にリーチ

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アパレル販売も手掛けながら、ハーレーの世界観を構築している

ハーレーの場合、顧客の約3割が既存客で、約7割が新規客。同じモデルに10年以上乗る客も多く、代替の販売需要は大きくない。それゆえ新規顧客の取り込みがカギを握る。

一度同社のバイクを買った客は、根強いファンとなってカスタマイズ用のオプションやアパレルグッズを定期的に購入する人も多い。購入者によるオーナーズクラブの会員は世界で100万人。2014年度の営業利益率は20%と業界の中でもトップ水準だ。

去年からは、世界中の顧客の声を集約して製品開発に活かすプロジェクトを実施。新しいツーリングモデルを投入した。また、展示・試乗会を各地で開催することで、ハーレーのブランドに触れる場を増やし、これまで興味がなかった人へのアピールに力を入れる。日本では年に15回開催し、多い会場では週末の2日間に8500人が訪れる。

将来に向けた策を地道に実行

ハーレーダビッドソンジャパンの山本シニアマネージャーは、「お客さん中心にやっていかないとブランド価値が高まらない」と話し、客の声を企業活動に活かすことがより重要になってきていると考えている。

ハーレーダビッドソンは高収益を誇る企業だが、現状に飽き足らず、将来に向けた策を地道に実行している。さらに顧客の層を広げることができるか、「ストリート750」の成否に注目が集まる。

木皮 透庸 東洋経済 記者

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きがわ ゆきのぶ / Yukinobu Kigawa

1980年茨城県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修了。NHKなどを経て、2014年東洋経済新報社に入社。自動車業界や物流業界の担当を経て、2022年10月から東洋経済編集部でニュースや特集の編集を担当。

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