課長、勝手に担当を決めないでください  全員参加ミーティングで納得度アップ

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② 上司が何も意見を聞かずに担当を決める:決められた担当は同じであったとしても、部下が意見を述べた場合と、意見を述べても聞いてもらえなかった場合では、納得度が圧倒的に違います。なぜなら、意見を聞いてもらえると、部下は自尊欲求が満足されるからです。佐藤君が自ら意見を述べ、課長の考えを聞いていれば「ボクを見込んで難しい仕事を任せてくれた」と思ったかもしれません。

納得度を高める秘訣

担当業務への納得度を高める方法は、部下の意見を聞きながらそれを決めていくことです。具体的には2つの場面でのミーティングが役立ちます。

① ミーティングで職場目標を設定する:上司と部下の全員が職場目標について話し合い、それを設定していくミーティングを開催します。このミーティングを行うと、目標の内容が全員に鮮明に理解されます。上位目標との関連、目的と手段の関連などについての理解が、メンバー間で共有するわけです。

② 業務分担をミーティングで決める:担当業務もミーティングで話し合いながら決めます。職場目標を達成するために誰がどんな動きをすればよいのかを話し合います。業務量の調整や得手不得手の補い方なども含めて話し合うことで、公平感のある業務分担ができあがります。

 目標管理では、参画が大切だと言われますが、職場目標の設定や業務分担の決定といった職場のマネジメントに部下が参画することがとても大切です。そこに参画してればこそ、業務分担に納得がいき、それが期末の評価の納得性にも繋がるのです。

 ポイントは「全員参加の担当業務のミーティング」。佐藤君のような「不満社員」を生み出さないためにも、説明もなく上司が勝手に決めてしまうことのないよう、ぜひ実践してみてください。

 評価の仕方で部下のやる気、職場の成果は変わるものです。評価者として管理職として知っておくべきことをわかりやすく解説した拙著『正しい目標管理の進め方』もご参照ください。拙著出版を記念して少人数の無料セミナーも行っています。詳細は「東京会場」「大阪会場」をクリックください。

イラスト:ふるはしひろみ

中嶋 哲夫 人事教育コンサルタント、MBO実践支援センター代表

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なかしま てつお / Nakashima Tetsuo

1948年生まれ。京都大学経済学部卒業。20年間の企業生活(鐘淵化学工業、現・カネカ)において、企業内ベンチャー、営業、人事の業務を体験。人事部門では、社員教育と人事企画を担当し、目標管理制度の運用に従事。仕事を通じて学ぶ目標管理に共鳴し、その考え方と実践ノウハウを現場管理者とともに開発。1991年に退社し、人事教育コンサルタント。産労総合研究所MBO実践研究所顧問を務めた後、MBO実践支援センターを設立。代表として良い職場づくりを目指す人事担当者と管理者を指導する。数多くの企業において、目標管理を活かした職場づくりを指導している。この間、大阪大学大学院国際公共政策研究科に進み、人事評価データや賃金データの統計解析を研究。2007年に博士(国際公共政策)。現在、大手前大学、大阪商業大学大学院にて非常勤講師を務める。著書に、『岐路に立ったら読む ライフマネジメント』(共著、中央経済社)、『目標管理ハンドブック』(共著、経営書院)、『人事の経済分析』『人事の統計分析』(ともに共編著、ミネルヴァ書房)など。

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