積水ハウス、消費増税後も最高益が続く理由

戸数で2位以下を引き離し、単価も上昇へ

自宅や店舗などにも併用できる3、4階建て「BEREO PLUS」が相続対策として伸びている

売上高2兆円企業に向け、積水ハウスが着実に歩を進めている。いうまでもなく積水ハウスは、日本でいちばん戸建て住宅を販売している会社だ。2014年度の実績見込みで比較しても、2位となるへーベルハウス(旭化成ホームズ)とは5000戸以上の開きがある。

積水ハウスの2015年1月期は、想定以上に戸建て住宅が苦戦したものの、税制改正に伴う相続税の大幅増税を受け、賃貸住宅が大幅に伸長。2014年12月には積水ハウスリートを上場させ、都市開発物件を売却したこともあり、全体の売上高は前期比6.0%増の1兆9127億円、営業利益は同11.1%増の1465億円と、消費税率8%への引き上げという逆風の中にあっても、2ケタ増益を達成した。

節税対策の賃貸住宅が好調

続く2016年1月期も、売上高はじめ各利益段階で、3期連続で過去最高を更新する見通しだ。消費増税の駆け込み需要で前上期が大きく膨らんだ反動で、上期こそ減収、2ケタ減益となるが、下期にはそれらの落ち込みを凌駕。会社計画では、通期の売上高を前期比0.9%増の1兆9300億円、営業利益を同4.4%増の1530億円と見込んでいる。

牽引役となるのは、「シャーメゾン」ブランドとして展開する賃貸住宅だ。上物を建てることで土地の評価額を引き下げることができるため、節税を目的とした住宅建設が増えていることが背景にある。節税に関しては、消費税率引き上げのように期限が区切られて発効するものとは違い、相続に直面する人や個々人の生活設計の中で対応を迫られるものであるため、しばらく需要が途切れることはなさそうだ。

同社の賃貸住宅1棟当たりの売上平均単価は2014年度で6854万円と、前期比で726万円も上昇している。中でも強力に販売を推進する3~4階建ての1棟当たり受注単価は2014年11月~2015年1月の平均で1億3204万円。この賃貸住宅事業に占める割合が2014年度は46%にまで上昇している。単価上昇と高付加価値品比率の上昇傾向は、2015年度も続くと見られる。

また、見逃せないのが賃貸管理などを含む不動産フィー事業だ。賃貸住宅の増勢とともに管理棟数も着実に拡大しており、2015年度も営業利益は前期比13.3%増が見込まれる。さらに海外事業でも、中国で物件の引き渡しが進むなど改善傾向にあり、営業赤字が残るとはいえ赤字幅は縮小。持分適用のシンガポールは順調に拡大を続けており、規模は小さいがトータルでは利益倍増となる見込みだ。

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