インバウンド客が「演出的な日本」に飽きる理由 星野リゾート代表が語る、観光業界の重点課題

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水際対策の大幅緩和で復活していくであろうインバウンド。業界が重点的に取り組むべき課題を星野リゾートの星野代表が語った。

星野リゾートの星野代表
「アフターコロナは、数字を追うのをやめて、地方にも訪日客を分散させる必要がある」と語る星野リゾ-トの星野代表(撮影:尾形文繁)  
水際対策が大幅に緩和された。観光・ホテル業界にとって、10月は厳しかったコロナ禍からの転換点となりそうだ。
コロナ禍でも都市型ホテルを中心に拠点数を増やし、規模拡大を果たした星野リゾート。今後復活するインバウンドをどう取り込み、企業として成長を描くのか。星野佳路代表に聞いた。前編はこちら

 

――10月から水際対策の緩和がなされたことで、今後はインバウンドの復活が見込まれます。需要取り込みの戦略は?

欧米からの集客が、アジア客にとっても大事ということがわかってきた。世界の旅行市場をみると、イメージをリードしているのは欧米客で、そこにアジア客がついてくる現象がある。

2019年のインバウンドの国別データでは、東京はアジア圏からの客が50%、欧米が32%。京都はアジア圏が52%、欧米が33%。ところが、大阪はアジア圏が80%で、欧米は10%と劇的に下がる。

これが大阪のインバウンドの問題点。この状態だと「安くて近いから行こう」という場所になる。万博に向けてチャンスがある中、行きたい場所であるために、欧米をターゲットにすることがポイントだ。

欧米の人に「本物の日本らしさ」を

――欧米客の集客にはどんなサービスが必要になるのでしょうか?

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