「セット割」で熱戦、まだ通信料金は下がる ドコモとソフトバンクが激突

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また、光回線、スマホ、プロバイダ(ネット接続業者)でそれぞれ分散していた通信サービスを1社にまとめれば、ドコモショップなどで一貫したサポートを受けられる。

ただし、販売店関係者が「現場からプランがわかりにくいとの声が寄せられている」と語るように、各社のプランは非常に複雑だ。

格安スマホとの組み合わせも一法

たとえば、ドコモ光はドコモ以外のプロバイダも選べるが、業者によってはサービス開始が6月となり、200円が料金にプラスされる。これは交渉で価格を一本化できなかったためだ。ソフトバンクとKDDIでは、光電話など500円のオプション加入が必須条件となっている。

さらに、各社とも学割や長期ユーザー向け割引が併用されるため、発表された料金をそのまま支払うケースは少ない。家族の利用状況によって割引も異なるため、どの会社でどれだけ安くなるかは、各ショップで調べなければわからないのが実情だ。

また、大手事業者以外でも、ニフティやU-NEXTが格安スマホと組み合わせた低額プランを繰り出すなど、サービスの裾野は着実に広がりつつある。大手幹部が「まだ安くできる余地がある」と話すように、セット割引は一段と安くなる可能性もある。

(「週刊東洋経済」2015年3月14日号<9日発売>「価格を読む」を転載)

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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