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戦略的サービス事業への変革がもたらす
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<国内事例> シャープ
「“グローバルCSの向上を目指して”―シャープ(株)の取組み」

シャープ株式会社 CS・環境推進本部 副本部長 兼 CS企画統轄の中川 潤子氏は、CS(顧客満足度)の向上を目指しシャープがどのようにサービス事業に取り組んでいるかを紹介した。「『誠意と創意』という弊社の経営信条は CSの精神に非常に近いと感じています。すべてのお客様にいかに満足頂き、喜んでもらえるかを目指しています」と言う。

CSは「品質」と「サービス」によって成り立ち、この 2つを中川氏が所属する CS・環境推進本部が管轄している。各事業本部の品質統轄部門とも連携し CS、品質の向上には全社で取り組む。「サービスの対応が良ければお客様はシャープ製品のリピーターになって頂けます。再購入意向率がCSのKPIです」と中川氏は語る。

そのためシャープでは、お客様相談センターにおける「お客様応対」と「アフターサービス」の充実やグループ会社のシャープエンジニアリングの出張修理における「+5運動」(修理完了後にさらに5分間顧客対応する)など、CS向上に努めている。また、相談応対の過程で得られる情報を各事業部にフィードバックするのも重要だと考えている。年間およそ350万件の相談を受け「おもてなしの心でお客様の立場に立って対応しています」と中川氏。そのためにはお客様の状況を的確に理解し、担当者の解決力や技術力向上のためのナレッジ蓄積も重要だという。

サービス事業では、お客様がうまく機器などを使えず故障だと思い相談してくる「不具合相談」の増加が課題となっている。これは会社にとって無駄なコストとなり、CSも低下させる。この課題を解決するために、簡単メニューを搭載したり画面操作環境を改善したりと製品面でも改善に取り組んでいる。また、サービスで得た知見をベースにCS推進本部と事業部が商品企画段階から連携している。「不具合相談」の増加は海外主要拠点のコールセンターでも課題になっているが、「日本でも海外でも共通に使えるナレッジがたくさんあり、それを翻訳し蓄積しています」と中川氏。

このグローバル ナレッジ システムで PTCのソリューションが採用されている。選択理由は 23カ国語に対応し「検索がさまざまなアプローチで行えるところも評価ポイントです。さらにコンテンツ比較機能もいい」と中川氏。このシステムはインドネシアとオーストラリアにまず導入されたが、インドネシアでは 導入後2 年で不具合相談が 30% 減少したという。

シャープではサービス活動による更なるCS向上を目指し、新たにサービスパーツ業務の改革にもチャレンジする。そのために、PTC(R) Service Parts Managementの導入も決めた。サービスパーツの管理は、従来は人手や過去の経験に頼っていたが、新たなシステムを用いた適切な需要予測を行うことでパーツの生産、販売、在庫を最適化し、人的リソースの削減も目指す。

日本に比べ海外についてはまだこれからの部分もあるが「CSのマインドを世界に広げる活動をこれからも続けていきたい」と中川氏は希望を語った。

講演後のパネルディスカッションでは、全講演者が再登壇し、サービスの変革に取り組み、成功している製造業の各社から克服してきた苦労点、これから取り組む企業に向けて、講演では語りきれなかったポイントについてのディスカッションが行われた。

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