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戦略的サービス事業への変革がもたらす
グローバル競争優位性の獲得 PTC Live Executive Exchange

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<海外事例> フィリップスヘルスケア
「サービス業務の変革により顧客価値を確保」

フィリップスのヘルスケア事業は売上高の43%を占める。フィリップスヘルスケア サービス パーツ サプライチェーン部門担当 バイス プレジデントのジョン・シュランジャー氏は「フィリップスは世界をより健康に、そして持続可能な世界にすることを目指しています」と言う。

フィリップスヘルスケアが扱うのは、さまざまなモニタリング機器や治療活動をサポートする機器、さらには心臓発作から命を救う AED(自動体外式除細動器)などである。家庭で使用する医療機器もある。

機器提供だけでなくインフォマティクスで情報を共有し活用もしており、カスタマーサービスやコンサルティングサービスも展開する。「カスタマーサービスでは、カスタマーエクスペリエンス(顧客経験価値)が重要です」と語るシュランジャー氏によると、「製品はもちろんのこと、お客様ともつながり、製品ライフサイクル全体で関係性を維持したい」とのこと。そのためには人をケアする観点も必要だと語る。

フィリップスヘルスケアのサービス事業は臨床サポート、パフォーマンス、メンテナンスの3つに分類される。臨床サポートでは世界で利用されているあらゆる製品の稼働状況をもとに活用方法を提案する。パフォーマンスでは製品のライフサイクル全体でケア品質を向上させながらコストを最適化する。メンテナンスは、常に機器を遠隔から監視し故障の予測を行うことで、ダウンタイムを最小化している。

「製品とサービスをいかに近づけられるかを追求しています。たとえば、設計段階からサービス性の高いものを作るには、サービスから設計に情報をフィードバックする必要があります。これは全社規模の大きなプロジェクトとして現在取り組んでいます」(シュランジャー氏)

そのためにはナレッジ管理が重要だが、従来は必要なものが探し出せなかったり、国や製品ごとに手順が異なっているという課題があった。そこでPTCの製品を導入したことで、現場技術者がすぐに情報を得たり、視覚的に必要なパーツを判断して、そこからすぐにパーツ発注ができるようになった。「すべてのサービスパーツの管理をPTCの仕組みで行っています。それが他社に対する優位性にもなっています」とシュランジャー氏はPTC製品導入の効果を語る。

従来は在庫予測に何種類もの分析手法を用いて複雑化していたのも、PTCのサービスパーツ・サプライチェーンの仕組みを導入することで、需要予測を1つのアルゴリズムで行えるようになった。予測精度も上がり、最適化で即納率も高められたという。「以前は4週間かかっていたものが4時間で対応できるようになったものもあります」(シュランジャー氏)。

これらの取り組みを始めてから2年半ほどが経過したが、単に在庫即納率が向上しただけでなく、お客様にどのような価値を提供できたかも含め、新しいサービスパーツ・サプライチェーンの仕組みが十分に経営層にも理解されるようになったという。

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