アベノミクスで、失業率は低下していない

日本経済の構造変化を無視する「リフレ派」

失業率が改善したのは、アベノミクスのおかげではない(写真:JIRI / Imasia)

前回のコラム「なぜ日本は『米国の失敗』をまねるのか」の続編として、今回は、リフレ政策を支持する人々が強弁する「アベノミクスによって失業率が低下した」という見解が、いかに間違った見解であるのかを説明したいと思います。

リフレ派は日本経済や社会の構造変化を故意に無視

リフレを支持する経済識者たちが、「アベノミクスの効果」としてこのようなことを言い出した当初、私は「アベノミクスの失敗を覆い隠すために、故意にそのような風説を言っているのだろう。まさか本気でそのようなことを言っているわけがない」と思っていました。そう思ったくらい滑稽な見解であったので、信じる人々も少ないだろうと考えていたのです。

2017年に最大の試練がやってくる!とはどういうことなのか。中原氏の待望の新刊「これから日本で起こること」(東洋経済新報社刊)は、好評発売中

ところが、リフレを支持する経済識者たちがメディアを通してこういった認識を広めた結果、それを信じている人々が少なからずいるということには、非常に驚いているところです。初めてこの連載で皮肉を言わせていただくと、まさに「風説を言ってでも、人々を信じさせたい」というリフレを支持する経済識者たちの「期待」が、まったく違う次元で半ばながら達成されたわけです。

彼らが「自説の誤り」を認めたくないために、確信的にそう言っているだけなら害は少ないのですが、それを信じる人々が少なからずいるという現状に至っては、日本の未来にとって笑って済ませられないことになってしまいます。国の経済政策が間違った方向に突き進んで行っても、一向に修正されなくなる可能性が高まってしまうからです。

「アベノミクスによって失業率が低下した」というデタラメな意見が言えるのは、日本経済や日本社会の基本的な構造変化を故意に無視しているからに他なりません。経済識者としては、それくらい矜持がない意見を言っているのです。

次ページリフレ派の失業率低下論の間違いはどこにあるのか?
関連記事
Topic Board トピックボード
人気連載
Trend Library トレンドライブラリー
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

Access Ranking
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!

※過去48時間以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※過去1ヵ月以内の記事が対象

※週間いいね数のランキングです。

トレンドウォッチ
行き詰まる東電支援<br>原発最後の選択

賠償費用も廃炉費用も想定から大きく上振れし、東電支援スキームは破綻の瀬戸際。東電の発電所を売却し、その代金を賠償や廃炉費用に充て、東電を送配電会社に再編する構想が浮上。