丸亀製麺、ケニアにテリチキの店を出すワケ 海外ではうどんにこだわらず積極出店
低価格のセルフ式うどん「丸亀製麺」を核として急拡大してきたトリドールが新たな成長段階に移行しつつある。来2016年3月期には全業態1000店舗にも手が届こうとする外食大手が描く次なるシナリオとは――。
アジアで出店拡大、アフリカ・ケニアに進出
トリドールが海外で順調に出店を伸ばしている。2011年4月にハワイに海外1号店を開業して以来、積み上げた店舗数は第3四半期の昨年12月末時点で92店舗に達した。
これまでの進出先の中心は、麺文化が根付いているアジアの各国だ。中でも2月12日に10店舗目をオープンした台湾では、集客力のある有力百貨店を軸に出店していることもあり、「来客数、業績とも絶好調」(トリドールの経営企画室)という。台湾以外でも総じて出店は順調であり、2月に入ってからも、中国、インドネシア、台湾、タイと矢継ぎ早にオープンしている。
アジア以外では、丸亀製麺業態、うどんに固執しない柔軟な姿勢を打ち出している。例えばオーストラリアは3店舗中2店がラーメン店だ。トリドールを率いる粟田貴也社長は「現地にあった業態で、どこまでローカライズできるかが今後の勝敗を分ける」と力を込める。
その一つの試金石となるのが、オープンに向けて今、最終準備段階にあるケニア共和国の首都ナイロビに開店する「teriyaki JAPAN」だ。うどんではなく、鶏肉照り焼きのファストフードがメインの業態でオープンする。
高い経済成長や人口増加率の見通しで注目を集めるケニアだが、意外にも外食店はほとんどなく、外食文化の発展はこれからという。アフリカでも貴重なタンパク源で、かつ “ごちそう感”がある、と人気のチキンに着目。日本食にルーツを持ちながら海外でも広く親しまれているテリヤキチキンで勝負をかける。マクドナルドの出店を機に日本でもハンバーガーが根付いたように、いち早く参入することで、現地の日常食として広めたいという構想を抱いている。
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