有料会員限定

清水建設、拡大路線進む中で浮上する2つのリスク 市場が懸念する「再開発」と「SEP船」の行方

✎ 1〜 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 8 ✎ 最新
拡大
縮小

業績と株価がさえない清水建設。再開発とSEP船という大型プロジェクトが今後の経営を大きく左右しそうだ。

清水建設が力を入れる東京・麻布台の再開発工事(記者撮影)

特集「ゼネコン 両利きの経営」の他の記事を読む

「最近の京橋さんはどうなってしまったのか」。大手ゼネコンのある中堅社員は、東京・京橋に本社を構え、業界で「京橋」と呼ばれるスーパーゼネコン、清水建設についてこう語る。

同社は足元の業績が冴えない。前2022年3月期は売上高1兆4829億円に対し営業利益451億円と、営業利益率が3.0%と低水準だった。今2023年3月期も売上高1兆9600億円、営業利益715億円と、営業利益率は3.6%にとどまる見通しで、2021年3月期の同6.8%に到底届かない。

首都圏を中心とする大型再開発案件の受注を積極化した結果、競争激化による低採算受注や昨今の資材高で工事損失が増加傾向にあるためだ。

さえない株価と時価総額

業績の低迷は市場も見透かしている。8月26日現在の同社株価は774円、時価総額は6103億円と、トップの大成建設と比べて2000億円以上も低い。

次ページ日本道路TOBの狙い
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
ゼネコン 両利きの経営
不動産シフトでもくろむ「非建設分野」の強化
狙うはビル木造化、再エネ、環境配慮コンクリ
工事費の増加分は発注者側もリスク分担を
任天堂創業家に「会う予定は現時点ではない」
インフラ事業の黒子、子会社の秘められた正体
受注競争の激化と残業時間の新規制が直撃
市場が懸念する「再開発」と「SEP船」の行方
「関西や木造に強い」中堅以下の買収を渇望
「5つの指標」で厳選、独自ランキングを一挙公開
福島や宮城など東北でも倒産が増加傾向に
国内市場の先細り見据えて食いぶちの確保急ぐ
異業種の大手企業が建設市場に見いだす鉱脈
東洋建設関係者は提示された経営方針に失望
鹿島・竹中・清水建設が幹事、技術革新起きるか
DCに巨額投資も、本音は「恐る恐る参入」
危機の教訓を経て、提案力が必要な時代に
売上高1兆円に向け、戸建て販売を軸に急成長
地域別・経営の危険度が高い建設会社はここだ
新風で「レガシー産業」は今度こそ変われるか
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内