「孤独のグルメ」の作者は、"怪物"だった! 日本人が知らない、谷口ジローの真価
あの『孤独のグルメ』(原作:久住昌之)の漫画家、谷口ジロー氏の新刊が、このほど2冊続けて上梓された。『柳生秘帖〜柳生十兵衛 風の抄』(原作:古山寛 リイド社、1月30日発売)、『千年の翼、百年の夢』(小学館、2月20日発売)である。
フランスではアーティストとして高い評価
谷口氏は1970年代にデビュー、ハードボイルド、動物もの、SF、格闘、文芸など幅広く活動しており、国内でもよく知られた漫画家だ。特に『孤独のグルメ』は近年ドラマ化されてもいるため、普段漫画を読まない人にもおなじみになっているのではないだろうか。また漫画に関する数々の受賞も、氏に対する我が国での評価を物語っている。
しかし実は、我々日本人はまだまだ、谷口ジロー氏の“すごさ”を見誤っているのかもしれない。氏の受賞歴を見ると、「アングレーム国際漫画祭」「ルッカ・コミックス&ゲームス」などと、ヨーロッパで何度も受賞している。そして2011年には「フランス政府芸術文化勲章(シュヴァリエ)」を受賞している。
フランス政府芸術文化勲章とは、芸術や文化の創造・普及面においてフランスや世界に貢献した人に与えられるもの。日本人の受賞も少なくなく、音楽家、画家、俳優などが名を連ね、漫画家では谷口氏をはじめ、松本零士氏、大友克洋氏が受勲している。
また驚くことに、谷口氏の漫画はフランスを代表するブランドであるカルティエやルイ・ヴィトンといった高級ブランドの宣伝媒体としても使われている。フランスでは漫画もアートの1ジャンルであり、谷口氏も、詩情あふれるストーリーを描き出すアーティストとして評価されているのだ。
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