ホンダのハイブリッドは「苦難」を脱したのか

難産だった新方式、セダン「グレイス」で熟成

世界最高水準の燃費性能を引っ提げて、2013年9月に華々しくデビューしたホンダの3代目「フィット」。その後、短期間で5回に渡るリコール(回収・無償修理)出したのは記憶に新しい。

主に問題になったのは、燃費性能を大きく上げるために導入した「スポーツハイブリッドi-DCD(以下「i-DCD」)」と呼ぶ新型ハイブリッドシステムの不具合だ。実際、発売当初の3代目フィットハイブリッドは、ごく普通に運転しようと思ってもできないほどギクシャクしたフィーリングだった。

ニューモデル発売延期に発展

一連の品質問題は、フィットの後に続いた新型スポーツ多目的車(SUV)「ヴェゼル」にも波及し、それ以降のニューモデルの発売スケジュール延期にもつながった。現在、タカタのエアバッグ問題という難題は残るものの、5回のリコールを経て、ホンダの新型ハイブリッドシステムの品質問題は「苦難」を脱したのだろうか。フィットと同じi-DCDを積み、2014年12月1日に登場したハイブリッド専用の新型セダン「グレイス」に、その答えを垣間見ることができる。

ホンダの新型セダン「グレイス」

ホンダは2月初め、グレイスの受注が発売2カ月間で1万台を超えたことを明らかにした。ホンダは売れ筋のスモールコンパクトと呼ばれる領域にフィットや「スパイク」、「フリード」など、多様な車種を展開している。ただ、セダンでは10年ぶりに刷新して2014年末に発売した高級車「レジェンド」とアッパーミドルクラスの「アコード」だけ。小型セダンの領域では2008年7月に生産が終了した「フィットアリア」以来、6年以上の空白があった。

そのグレイスの月間販売目標は3000台。発売当初、筆者は「なかなか強気だな」と感じた。というのも、日本ではセダンの市場が極端に冷え込んでいるからだ。言うまでもなく、セダンとは、ボンネットとトランクを持つ5人乗りのクルマ。昭和の時代までは、乗用車といえばどれもこれもセダンだった。消費者は排気量と価格に応じて、自分に見合う車種を選んでいたものだ。

ところが平成に入ると時代は一変。ミニバンやコンパクトカー、SUVなど車種の 選択肢が広がり、セダン市場は急速にしぼんでいった。往年の車名ブランドが通用しなくなり、ホンダもかつての代表車である「シビック」のセダンタイプをやめている。

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