三井住友フィナンシャルグループがトップ交代を発表、「次の10年」を占う新体制に

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三井住友フィナンシャルグループがトップ交代を発表、「次の10年」を占う新体制に

三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)がトップ交代を発表した。2011年4月1日付けで、三井住友銀行の國部毅取締役(写真左)が新頭取に、SMFG新社長には同行の宮田孝一取締役(同右)が就任する(國部氏、宮田氏ともSMFG取締役)。

現任の北山禎介SMFG社長(三井住友銀行会長兼務)、奥正之三井住友銀行頭取(SMFG会長兼務)は、今2011年3月期で在任6年目となる。一方、2010年は三井住友銀行の発足10年目、SMFGとしてはニューヨーク上場を果たすなど節目の年に当たっており、トップ交代が確実視されていた。

奥頭取は会見で、「われわれの交代は6月だったが、もともと(トップ交代は)年度の始まりと考えており、準備期間を考えると1月中に決定するのがいい。11年度(12年3月期)からスタートする新しい中期経営計画を自分たちの責務で遂行してほしい」と語った。

奥頭取の後任となる國部氏は企画畑を長く務めた。企業の戦略立案や当局とのやりとりも求められる同部での経験は重要とされ、北山氏、奥氏ともに企画部の経験を経てトップに就いている。一方、宮田氏は市場営業部門の経験が長いが、昨年の異動でSMFG取締役に就任。國部氏とともに企画部を任されたこともあり、北山氏の後継と目されていた。

宮田氏は三井銀行、國部氏は住友銀行と出身行は違うものの、1976年と入行年次が同じ。11年度からは、代表権を返上した形で北山氏が三井住友銀行会長、奥氏がSMFG会長を続けるが、「一般の執行には関与せず、大所高所から統治する」(奥氏)という。

今後の方針について、「新しい10年のスタートという意味でも、今年は節目の年。国内で確固とした基盤を築き、海外でも収益を伸ばしていく」(國部氏)、宮田氏は「今ままで両トップがやってきたことを、いささかも変える必要はない」、と従来路線の踏襲を強調した。

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