人の移動が収益源となる航空・鉄道業界は、新型コロナウイルスの直撃で事業構造の根本的な転換を迫られている。今、両業界で何が起きているのか、徹底検証する。
新型コロナウイルスの世界的流行で多くの業界が打撃を受けているが、とくにダメージが大きいのが航空、鉄道業界だ。
航空業界では2020年1〜3月から各国間の入国制限により国際線に影響が出ていたが、国内線も4月の緊急事態宣言を受けた外出自粛により利用客が消えた。
20年度第1四半期の売上高は、国内最大手の全日本空輸やLCC(格安航空)のピーチ・アビエーションを傘下に持つANAホールディングス、日本航空(JAL)ともに7割減と沈んだ。とくにJALは、今年度からIFRS(国際会計基準)に移行しているため単純比較はできないが、第1四半期当期純利益の赤字額937億円は、経営破綻の直前だった09年度第1四半期の当期純利益990億円の赤字に匹敵する。
2社の純資産を赤字額で割ると、ANAは2.4年、JALは3.0年で食い潰すことになる。ANAの福澤一郎常務は「(第三者からの)出資については慎重に見極めていきたい」としたうえで、「もし下期以降に(資本増強を)行うとすれば、(形態は)劣後ローンなどになるかもしれない」と話す。
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