4兆円を超える道路予算に対し、鉄道予算は微々たるものだ。
お店を開けて、「当店の商品はなるべく使わないでください」と店頭で叫ぶ商店主はいない。それでは商売は成り立たない。
そんな「商売」を強いられたのが公共交通である。新型コロナウイルスの感染が広がる中、政府は移動自粛を呼びかけ、交通事業者は駅や車内でこれをアナウンスした。一方、事業者自身は、人々の生活を支えるため、ほぼ平常どおりの運行サービスを求められた。
けれども日本の場合、公共交通の運営はあくまで「商売」である。社会に必要なサービスを提供するという公益性が求められながら、収支のやり繰りもしなければならない。
これに対し、欧米の先進国ではこうした問題は発生しない。欧州でも民間事業者が参入しているものの、日常生活の足となる地域公共交通は、都市間交通とは区別されたうえで、公的にサービスされるものという位置づけになっている。事業者は公共サービス義務(PSO:Public Service Obligation)を担い、そのために公的な資金が提供される。
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