有料会員限定

もはや再建は不可能、原発ビジネスから撤退 分社化で終わらない東芝出直し3つのシナリオ

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小
建設中のボーグル原発。日本の原発建設に携わった東芝社員も派遣されている

特集「東芝解体」の他の記事を読む

[ポイント1]
記者は昨年5月、米国にとって30年ぶりとなるボーグル原発の建設現場を訪れた。まさに建設コストが膨れ上がり、東芝の存続を揺るがしている現場だ

[ポイント2]
工事遅延の原因の一つは福島第一原発事故後の安全基準規制強化で、米国のみならず世界的に及んだ。だが、ここで東芝は原発輸出の旗を下ろさなかった

[ポイント3]
大赤字のWH切り離しが東芝の最優先課題だが、三菱重工、日立は買収に慎重で、中国勢への売却も難しい。もはや手に負えないことを認めるときだ

 

昨年5月、米ジョージア州にあるボーグル原子力発電所の建設現場を訪れたとき、巨大な筒型の冷却塔が完成していた(上写真の左右)。燃料が充塡される原発の心臓部の圧力容器や発電タービンの納入も済んでおり、現場ではトラックや作業員が行き交っていた。

だが、現場の作業員に話を聞くと、「工事はあまり進んでいない」と表情は冴えなかった。この場所は、建設コストが膨れ上がり、莫大な損失で東芝の存続を揺るがす事態に発展している建設現場である。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内