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ライブドアで表面化したスキだらけの株式市場 商法、放送法は制度疲労、抜け道もいっぱい

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32歳の青年に株式市場が翻弄されている。ライブドアによるニッポン放送買収の騒動を通じて、M&Aをめぐる株式大量保有報告義務、転換社債型新株予約引受権付社債の発行、商法・放送法などに制度疲労や取引慣行の「抜け道」が潜んでいることが表面化した。スキだらけの株式市場を検証する。

(本誌:山田雄大、水落隆博、鈴木雅幸、山田雄一郎)
(左から)堀江貴文・ライブドア社長、村上世彰・村上ファンド代表、亀渕昭信・ニッポン放送社長、日枝久・フジテレビジョン会長

[ポイント1]
大量保有報告書の提出義務(5%ルール)に特例があり、年金ファンドが報告なしにライブドア株を大量に取得・売却することができた。

[ポイント2]
村上ファンドがニッポン放送株を売ったのか売っていないのかも特例適用で開示されず、思惑で株式市場がゆがめられる結果に。

 

特例の適用除外逃れか? 村上ファンドの複雑貸借

ライブドアの堀江貴文社長やフジテレビジョンの日枝久会長が連日テレビに登場。名だたる報道番組はもちろんのこと、一般週刊誌、スポーツ紙、果てはワイドショウまでもがリアルタイムで追いかける。さながら「M&A(企業の買収・合併)お茶の間劇場」の様相だが、昨年の球団買収騒動がそうであったように、今回のライブドア騒動も、既存の枠組みの矛盾点や不備、制度疲労をあぶり出しつつある。

その最たるものが、大量保有報告義務の制度不備に違いない。

堀江社長からの借り株を使って、米投資銀行大手、リーマン・ブラザーズがグループぐるみでライブドア株を大量に売り浴びせていたことが話題になったが、このことで、大量保有報告義務の基本的な制度不備があらためて浮き彫りになった。

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