ビジネススクールに入学して半年が経ち、心はすっかりイケイケバリキャリウーマンの私の元に、衝撃の電話が2本立て続けにかかってきた。妹①と妹②からである。なんと、2人とも妊娠しているというではないか。予定日は翌年の夏。数日違いでわが実家に2人の赤ちゃんがやってくるというから、実家の両親は大パニックである。
はてさて、3姉妹のいちばん上が人生を迷走し、やっとの思いで崖っぷちからの生還を試みている間に、妹たちは2人とも人生すごろくのコマをさらに進めている。
昔は、物理のテストで0点を取ったりしていたのに……。数学だって赤点だったのに……。私が代わりに宿題をしてやったこともあるのに……。
高校生までの勉強の出来不出来は、人生という長いスパンで考えたときに、まったく別の話であることに気づく。妹よ……。昔は8月31日まで自由研究に手をつけていなかったではないか。いつの間にそんな、先を走るようになったのだ?
かんべ家3姉妹の中でいちばんの不良債権は、かつては優等生として華々しい経歴を誇っていた長女の私である。この人生の差は何だ! 子供を産むなどというレベルの高い話は、自分の人生の選択肢の中には入るすきもない。結婚についてすら、考えたこともなかった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら