崖っぷちOL、涙と吐き気の卒業式

PDCAを超えたDDDDで人生を突っ走れ!

まだまだ「崖っぷち」近くをウロウロしている、のかもしれませんが……(イラスト:かんべ みのり)
 きちんとした将来設計もないまま、大学を卒業後、フリーター→海外を放浪し、帰国後、東京でひとり暮らしを始めた非エリートアラサーOL・かんべ。
 どさくさに紛れて正社員の職に就くところまではよかったが、リーマンショックを契機とする転職活動で自分の市場価値の低さを思い知る。気がつけば世の中はエリートと非エリートに分かれており、自分は間違いなく後者。若さゆえの無謀さで、ここまで非エリートでも何とかやってこれたが、はたして10年後は……?
 また不況が襲ってきても、ひとりで生きて行ける経済力をつけよう、キャリア設計をこれからちゃんとしようと決意し、ビジネススクールに飛び込む。エリート勝ち組だらけのビジネススクールで非エリート女子が何を学んできたか、どのように仕事に生かされていったか、そしてどのように人生が変わっていったかについて、つれづれなるままに記す。

  

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昨年の5月、私は、単科受講期間も含め2年半通ったビジネススクールの卒業式を迎えた。3月で授業はすべて終わり、卒業も確定していたのだが、学校の運営の都合上、式は初夏に行われた。桜は散ってしまっていたが、木々の緑が美しい、よく晴れた休日だった。

2年前、入学式のときは、周りにいる人全員が、違う星から来たイケイケエリートに見えた。卒業式のその日は、ずっとあこがれていたアカデミックガウンを身にまとい、ちっとも頭の上に固定できない角帽を無理矢理ピンで留め、入学時とはまったく違う胸の高まりを感じていた。……いや、これは、胸の高鳴り、では……ない……、胸の締め付け……いや……これは、吐き気……?

卒業写真撮影の際、学長に話しかけられた。

「2年間で何を得た?」

「同級生と結婚しました!」

「すばらしい! 学内結婚は多いのか?」

「はい、何組かいますよ」

「すばらしい! 旦那以外には何を得た?」

「あ、転職しました」

「旦那と仕事を得たのか! すばらしい! いちばんいい!」

いや、実はそれだけではないんですけど……という最後の言葉をぐっと飲み込みながら平静を装っていたあの日の私に、アカデミー女優賞をあげたい。私の腹の中には、小さな命が宿っていて、とめどなく襲う吐き気の力を借りて、しつこいくらいその存在を主張していたからである。

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