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禅の思想は生き方に通じる いま禅がブーム

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土曜の昼下がり、東京・丸の内のビルの一室に「パシッ、パシッ」と肩を打つ音が響く。慶応丸の内シティキャンパスでは隔週6回の講座、「アゴラ夕学プレミアム 古川周賢老大師に問う【禅の智慧】」が開かれていた。3時間半の講座の最初と最後に30分の座禅がある。

座禅中合掌すると警策という棒状の板で肩を打ってくれる。右端から古川周賢氏、柴田文啓氏(撮影:今井康一)

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別室で行われる講義では、禅の修行道場の様子、禅の基本である「捨てる」ための智慧、本当の自分の姿をとらえる「己事究明」など、禅の思想の枠組みを学ぶ。5回目のこの日は、夏目漱石の『門』を題材に禅問答の世界が紹介されていた。

講師は甲府市にある恵林寺の古川周賢住職だ。1967年生まれの古川氏は早稲田大学で哲学を専攻し、東大大学院で博士号を取得。寺の出身ではないが、29歳から13年間修行を積み、昨年、恵林寺の住職となった。厳しい禅の修行と学問の両方の世界を知る人物だ。

一休和尚、ハイデガー、モーツァルトなど具体例を織り交ぜた講義は刺激的だが、スピードが速い。そこで、コーディネーターの柴田文啓氏(80)が時々入って補足する。柴田氏は横河電機の取締役を経て出家。ビジネスパーソンに近いサポート役だ。受講料は10.8万円。25人の定員は満席だった。

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