なぜトヨタは部品事業の再編に着手したのか

「踊り場」と位置づけた今期、懸案に踏み込んだ

今年5月の決算会見で豊田章男社長は今期を「意思ある踊り場」と位置づけていた

トヨタ自動車がグループの部品事業の大掛かりな再編に踏み切る。ディーゼルエンジン、マニュアルトランスミッション、ブレーキの3事業をグループの部品会社へ集約する。今後、トヨタが持つ開発・生産機能や部品各社の生産拠点を、順次移管する意向だ。

「意思ある踊り場」──。トヨタの豊田章男社長は今年度をこう位置づけている。円安の進行で最終利益は過去最高の2兆円を見込むが、この3年間(2016年3月まで)は工場の新設を凍結。目先の規模拡大ではなく、持続的な成長のための基盤固めを優先するとしてきた。

先進技術のリソースを拡充

今回の再編について、トヨタの近藤元博・総合企画部長は、「安全や環境技術が複雑化する中、すべてを自動車メーカーができなくなった」と説明する。自動車の駆動部に当たるパワートレーンだけでも、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッド、電気、燃料電池と技術領域は多様化。自動運転ではソフトウエアを含めた制御技術で高度な対応を迫られる。各事業の集約で開発人員を効率化し、トヨタ自身はそれを先進技術に振り向け、グローバルの競争力をさらに高める狙いだ。

世界のメーカーは部品の共通化による効率化に邁進している。そうした中で、ドイツのボッシュやコンチネンタルなど、メガサプライヤーが力をつけている。一方、トヨタでは、トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)と呼ばれる共通化戦略を推進。重要部品を外部のメガサプライヤーに握られるわけにはいかない。

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