「野党の選挙協力=勝利」という幻想 「野党一本化」は、プラス面ばかりではない
「さあ、選挙だ」。
第47回衆院選が12月2日公示された。これから14日の投票日に向けて、12日間の熱い戦いが始まる。
今回は、一票の格差是正に伴い、これまでの定数から「0増5減」となり、選挙区が295の初の選挙となる。福井、山梨、徳島、高知、佐賀の5県で選挙区が一つずつ減り、5選挙区がなくなったわけだが、大勢に影響が出るようなものではない。比例区はそのまま180で変わらない。定数が475になったから過半数は238。政権選択を訴えて、与野党が対決する。
政策よりも、選挙協力を優先する野党
さて、公示日の新聞各紙は、野党の選挙協力の記事が躍った。2年前の前回の選挙以来、自民党の一強に対し、野党の多弱ぶりばかりが取り沙汰されてきたが、結局、この「一強多弱」がそのまま選挙戦の構図となっている。
だから、各党が政策を訴えるより、野党の選挙協力が行われるかどうかが当落の優先順位であり、選挙協力のためには、独自の細かい政策はむしろ邪魔とばかりに、野党は旗色を示さない。
その当落の決め手となる野党の選挙協力についてだが、野党の一本化が実現した選挙区は195に達した。逆に、調整ができず自公共以外の野党候補者が複数立つ選挙区が60残り、共産以外の野党の候補者が立たない選挙区が38もあるということは、約100の選挙区でみすみす敵の当選を手助けしてあげているようなもので、戦う前から足かせになっているように思える。
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