日テレが、タツノコプロ買収で目指すこと

桑原社長に聞く老舗アニメの新戦略(上)

タツノコプロの桑原勇蔵社長(左)。ぬいぐるみは、同社のアニメ『ハクション大魔王』のキャラクター
「プロフェッショナル対談」は、経営共創基盤のマネージングディレクターである塩野誠氏が、次の時代を切り開くリーダーと対談し、キャリアについてのホンネを引き出すコーナー。今回のゲストは、日本テレビ放送網出身で、タツノコプロの買収をまとめあげ、現在、同社の社長を務める桑原勇蔵氏。買収に至る経緯、海外展開戦略などを聞いた。今回は、その前編。

 

塩野:日本テレビは今年の1月にタツノコプロを子会社化しました。この買収にはどのような経緯があったのでしょうか。

桑原:僕の日本テレビのキャリアからお話しすると、制作部門5年、営業に20年ぐらいいた後、突然、社長室というところに急に異動になりました。全然畑違い。一応僕、グループ戦略部長という立場だったんですけど、着任時、大久保(好男)社長に「とにかく3カ月間、何もしなくていいぞ。そのかわり、周りを良く見ておけ」と言われまして。

3カ月間、何もしなかった

塩野:社長室の部長に3カ月間、何もするなって、すごいですね。

桑原:そうです。「そうは言われても最初からガンガンやってやるぞ」と行ってみたんですけれども、やっぱり全然分からないわけです。経営とかそういうジャンルの事って。20年間テレビ局の営業で「肉体的な仕事」しかやっていなかったから(笑)。だからもう結局あきらめまして、お言葉に甘えて3カ月間何もしなかった。それでグループ全体の事業を見ていったんです。するとやっぱりメディアの会社が放送外のビジネス、つまり番組作ってスポンサーに売る以外のビジネスで収益を上げていこうと思うと、やっぱりIP(知的財産権)の存在がすごく大事だなあと感じました。

もちろん日本テレビはグループとしては『アンパンマン」という日本最強のIPを保有しているんですが、それに続くようなものを育成するなり、なんらかの形で保有するのが、グループとしての一つの課題だなみたいなことを漠然と思っておりました。そうしたら、ちょうど社内で研修のようなものがあったんです。何人かのチームになって新しい事業を提案しろという課題が出ました。

その中で、IPとかキャラクタービジネスとかの話を同じチームのメンバーにしたら「いいねいいね」って感じになって。

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