タレントSNSへの批判・脅迫は「有名税」? 「犯罪が成立しにくくなる」は大間違い!

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「有名税」という言葉もあるが、ボーダーラインはどこにあるのか(写真:verbaska / Imasia)

タレントの眞鍋かをりさんの公式ブログのコメント欄に10月中旬、「殺す」などと書き込んだとして、青森県に住む30代の男性が脅迫罪の容疑で逮捕された。SNSなどで芸能人につきまとう「スターストーカー」が起こした事件として、注目を集めている。

「スターストーカー」は、ツイッターやフェイスブックなどを使っているスターに対して、執拗にメッセージを送り続けるケースもあるようだ。アイドルグループHKT48の指原莉乃さんは、11月13日「なんかずっと指原にツイートしてくるヤバめの人が。。アンチとかではなく。。」とツイートしている。

有名人相手ならいいというのは「誤解」

当記事は弁護士ドットコムニュース(運営:弁護士ドットコム)の提供記事です

スターのSNSアカウントには、応援や声援だけでなく、批判の声も数多く寄せられている。「有名税」という言葉もあるが、スターだからといって、どんな発言も堪え忍ぶことができるわけではないだろう。

スターに対する発言は、どこまでやったら「やりすぎ」だと言えるのだろうか。元検事で、インターネット上の法律問題にもくわしい落合洋司弁護士に聞いた。

「根拠のある正当な批判は、言論の自由の行使として許容され、犯罪にはなりません。しかし、脅迫・中傷などは、それとは話が別です。脅迫等の対象となったのが、一般人か有名人かで、犯罪が成立するかどうかの要件に違いはありません。

たとえば脅迫罪は、対象者の生命、身体、自由、名誉、財産に害を加えると告げれば、成立します。

有名人が相手なら犯罪が成立しにくくなるような誤解がされがちですが、まず、そういった誤解をしないようにすべきでしょう」

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