アベノミクスでも注目を浴びる、「女性の活用」。一見、聞こえのいいこの言葉、実は大きな問題をはらんでいるという。本連載では、そんな「男と女」にかかわるさまざまな問題を、異色の男性ジェンダー論研究者が鋭く斬る。
今回のテーマは、ずばり「セックスレス」です。いきなりなんという話題だ! と思われたかもしれません。しかしこれは、夫婦や恋人との関係において、正面から向き合う必要のある問題なのです。
日本ではややもすると、性を話題にしただけで「下ネタ」といった誤解を受けます。大学のジェンダー論の講義の中では、マスターベーションの歴史や認識の変化、社会における違いなどまで話題にしています。「本能だ」と勘違いされている自慰行為が、いかに歴史的に、また社会によって異なるかを提示することを通じて、性を社会科学の視点からとらえる作業が(下ネタではなく)いかに重要であるかを伝えたいと思っているからです。
そこで今日のテーマなのですが、日本は世界の中で、著しくセックスの頻度が低い社会で、なおかつ性生活に対する満足度も著しく低い社会なのです。個人的な関係の水準を超えて、この問題について考えてみましょう。
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